赤い本。3
その頃、先輩はすごい勢いで街の中を走り回り目的の人を探していた。
「あの人を見ませんでしたか!?」とたくさんの人に声をかけ、必死に探し回って
ようやく有力な情報を聞き、そこに向かってまた走り出した。
Bが歩み寄っていく...
するとその女の子が顔を上げ、Bと目が合ってしまう。
その途端にBは膝から崩れ落ち、倒れてしまう。
みんなが叫び出す。
一気に修羅場となり、一斉に逃げ惑う。
外には出られず、どんどんと目が合って皆、倒れていってしまう。
AとBは屋上に逃げ込んだ。
A「あいつなんなんだよ!!」
B「まさかこんなことになるなんて...」
そこに女の子がやってくる。
叫び声をあげ、腰が抜けて立てなくなった二人は這いずりながら逃げる。
Bはついに追い詰められ覗き込まれてやられてしまう。
Aもズリズリと逃げるがすぐに角に追い詰められ覗き込まれてしまう。
気がつくと寮の一室で古ぼけた机やテーブルがある、見たことのない部屋で目が覚めた。
扉は開かない。
その部屋の中に何かないかと手当たり次第に探しているとあの赤い本を見つける。
ただそれは真新しく、傷一つないまだ誰も使っていないような本だった。
それを見つけた瞬間にAは「あの本だ!!」と気付いた。
なぜかAはこの本をあの女の子に渡すことができたら助かるんじゃないのか?
と思い、考えていると目の前にあの女の子が現れる。
急いでその本を渡そうとする...
ゆっくりと近づいてくる...
本を持ち、手を前に出す...
恐怖で目をつぶってしまう...
何かが触れた瞬間、目をあけると屋上で目が覚めたところだった。
よかった...助かった...と胸を撫で下ろした。
その頃、先輩はやっと探していた人に会い、その本が開かないようにお札で閉じてもらっていた...